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第4話

《相手を尊重する事の大切さ》

プラハでヤナ・マハラーチコヴァ先生から学んだ事に

「相手や相手の個性を尊重する事」

という事があります。



帰国後、2007年より自宅教室でのピアノ指導に17年関わってきて、なおも1番実感するワードがこれです。

相手を尊重するという事には、大人やこどもは関係なく、人と人がお付き合いする上で1番大切な事ではないかと思います。

人はみな自分とは違う、という事は、指導上も常に意識していきたい事です。

この部分を間違えてしまうと、折角育つはずのものが育たない、伝わる事が伝わらないという残念な事になります。



私自身、先生から1番大切にして頂いた事は自分自身そのもの、個性でした。

いつもそれを褒めてくださり、私の問いかけを受け止めてくださるような先生でした。

人に自分を尊重してもらえると、相手を心から信頼する事ができましたし、相手の事も尊重しようという良い循環が生まれるように思います。

私ははじめて、家族以外の人を心から信頼できたように思いました。

先生とは言葉は不自由でしたが、強い信頼関係がありました。

こんな風な先生、人間になりたい。

当時、私は心からこのように思いました。



私は、クラシック音楽の本場ヨーロッパで受けるようなレッスンスタイルを、そのまま仙台に持ち帰ったようなレッスンをしたいと常に思っています。

それゆえに、日本でありがちな、ハノン一辺倒で指を鍛えて素早く弾き動かすことを主眼としたレッスンはいたしておりません。

音や音楽を素直に美しい、と感じたり、楽しむ事。

このような感性を持つ事が、ピアノが弾けるか弾けないかより何より大切です。

その上で、色々な曲に出会い、あれが弾けるようになりたいなあ、これも素敵だなあ、と感じていくと、自然と練習を積んでいけるのではと思います。

身体の使い方については、生徒さん自身のやりやすい感覚をレッスンではやりとりの中から見出していきます。

ピアノの上で、なんでも気が付いたことや疑問、困った事などありましたら、遠慮なくお話してもらえたら嬉しいです。